キャラクターが作品を超えて登場する楽しみ!吉田秋生さんの『鎌倉3部作』

キャラクターが作品を超えて登場する楽しみ!吉田秋生さんの『鎌倉3部作』

ふらっと立ち寄ったブック・オフで吉田秋生(よしだあきみ)さんのコミック『ラヴァーズ・キス』が目に留まり、懐かしさもあって思わず買ってしまいました。

最近で言うと映画『海街diary(うみまちダイアリー)』の原作者と言えば、ご存知の方も多いでしょうか。

吉田秋生さんは私のお気に入りの漫画家さんのひとりでなのですが、高校生の頃『BANANA FISH』にどハマリし、好きすぎるあまり他の作品はその後ほとんど読んでいませんでした。

それが数年前たまたま『海街diary』を読んだことで吉田さんの魅力を再発見。他の過去の作品も気になっていたところで『ラヴァーズ・キス』が目に留まり、思わず買ってしまった、というわけです。

並行してつながっているストーリー

何の前情報もなく『ラヴァーズ・キス』を買ったのですが、読み進めて行くうちに『海街diary』とつながっている、いや、時系列と場所が同じだ、ということに気が付きました。

『海街diary』が鎌倉を舞台にした四姉妹の物語なら、『ラヴァーズ・キス』はその四姉妹の周りにいる人たちの物語。

『海街diary』では描かれていない、でも同時に起こっていた周りの人たちの物語を並行して読み進めると、登場人物の関係性や心情をより知ることができるので、深堀りして読んでみたい方にはおすすめです。

ただ実際に連載していた時期は10年近くちがうので、登場人物のファッションとかヘアスタイルとか、それぞれの時代を反映したものになっているので、そこは、妄想でリンクさせてみるのがよいのかなと。

『海街diary』から10年後のストーリー

『海街diary』の連載はすでに終わりコミックも9巻で完結しましたが、それに続く物語『詩歌川百景(うたがわひゃっけい)』が2019年に連載をスタートし、今現在1巻が発売されています。

今度の主人公は『海街diary』四姉妹の末っ子の義理の弟。舞台は東北の小さな温泉街。

『海街diary』がマンガ大賞2013に選ばれた際、吉田さん自身が「これからも鎌倉を、形を変えてでも描いていけたらなと思っていますので、『ラヴァーズ・キス』のキャラクターですとか、今回の『海街diary』のキャラクターが出てくる可能性もあるのではないかと思います。」と語ってる記事を見かけました。

担当の編集さんもそのとき「『海街diary』は『鎌倉3部作の第2部』にあたる。」と話していたそうなので、『詩歌川百景』はもしかしたら「形を変えた鎌倉」として『鎌倉3部作の最終章』になるのかなと、勝手に期待しています。

キャラクターが作品を超えて登場するのは、吉田さんの作品の楽しみの一つでもあるので、『詩歌川百景』でこれから誰が出てくるのか。出てくることを期待しつつ、今後の展開を楽しみにしていようと思います。